マイコプラズマとは

■マイコプラズマ

マイコプラズマはヒトに肺炎を起こすことが古くから知られていますが、実は尿道や膣内にも感染し、淋菌やクラミジアが検出されない尿道炎の半数以上からマイコプラズマやウレアプラズマが検出されています。

欧米では、性感染症として広く知られた病気ですが、日本ではあまり聞きなれない病原菌です。
アイラボの性感染症無料相談にも、病院や郵送検査で何度検査しても陰性の結果だけで、尿道の不快感がずっと続いているという悩みが多く寄せられます。
中には初尿を採取しなかったことが原因でクラミジアが検出できなかった例もありますが、マイコプラズマやウレアプラズマが原因である可能性も少なくないのです。

マイコプラズマの感染経路と潜伏期

■マイコプラズマの感染経路 

通常の性行為によって感染します。
最も多い病原菌は、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasa genitalium)ですが、その他にもマイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、ウレアプラズマ・パルバム(Ureaplasma parvum)が原因であることも報告されています。
マイコプラズマの仲間には、肺炎を起こすことで有名なマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)があります。

■マイコプラズマの症状と潜伏期 

潜伏期(症状が出るまで)は1週間から5週間で、淋菌やクラミジアより時間がかかります。
女性性器に感染した場合、男性に比べてはっきりした症状がなく、検査して初めて感染を知らされることが大半です。
男性では尿道症状が主で、分泌物の増加、排尿時痛(不快感)、時にかゆみを伴うなど、クラミジアに感染した時の症状にも似ています。

女性のマイコプラズマの症状

女性のクラミジア症状が出る部位 子宮頸管炎をおこしオリモノの増加などですが、女性のマイコプラズマの場合にはあまり症状がみられません。

男性のマイコプラズマの症状

男性のクラミジア症状が出る部位 男性のマイコプラズマの場合には尿道症状が主で、分泌物の増加、排尿時痛(不快感)、時にかゆみを伴うなど、クラミジアに感染した時の症状にも似ています。

■マイコプラズマの検査 

一般的には培養法が行われていますが、時間がかかったり、それぞれの菌を明らかにすること(同定)は難しいので、アイラボではこれら4種類(マイコプラズマ・ジェニタリウム、マイコプラズマ・ホミニス、ウレアプラズマ・ウレアリチカム、ウレアプラズマ・パルバム)の菌を一度に検査できる遺伝子検査法PCR/インベーダー法で検査します

■マイコプラズマの治療

医師により治療する場合としない場合があります。
治療する場合はクラミジアと同じ治療が行われますが、治りにくいため再発の頻度が高いです。
治療後2~4週間後に経過観察のための再検査が望まれます。
パートナーの同時治療が必要です。

<マイコプラズマの治療薬おすすめ情報>
ジスロマック(Zithromax)250mg

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎とは、細菌のマイコプラズマが原因で起こる肺炎です。
肺炎ではありますが、一般的な肺炎と異なり、それほど重症化することがありません。
しかし、セキと発熱とが断続的に長期間続くので、完治するまでに長くかかってしまう厄介な病気です。
患部は、肺や気管支ではなくその外部の組織です。
そのためレントゲン撮影をしても肺や気管支に影が写りにくく、ただの風邪だと誤診されてしまうことも多いです。
しかし適切な治療をおこなわずにいると、結局肺や気管支にまで炎症が広がり、悪化してしまいます。
そのためマイコプラズマ肺炎には、正確な診断と早めの治療とが大切です。

具体的な治療法としては、細菌を退治するための抗生剤の服用がメインとなります。
マイコプラズマ肺炎には、ジスロマックなどのマクロライド系の抗生剤が有効です。
ジスロマックを服用すると、細菌の蛋白合成がおこなわれなくなります。
そのため増殖することがなくなり、徐々に数が減っていくようになるのです。

しかし昨今では、ジスロマックでは効かないマイコプラズマ肺炎が増えてきました。
その場合は、ニューキノロン系やテトラサイクリン系などの抗生剤を服用し、どれが有効かを順に試してみることになります。

子供にも使えるジスロマック

小さな子どもがマイコプラズマ肺炎などの病気にかかったとき、子供にも使えるジスロマックがしばしば処方されます。
ジスロマックは抗生剤の一種です。
抗生剤は細菌による感染症などで処方される薬で、抗生剤によって細菌を殺菌し病気を治療するのです。
子供によくある病気としてマイコプラズマ肺炎やとびひ、百日咳などがあります。
これらはウィルス性の病気ではなく、細菌によるものなので抗生剤を使用する必要があります。

抗生剤には様々な種類があります。
ジスロマックはマクロライド系になります。
ジスロマックが子供にも使える理由として3つが挙げられます。
まず、持続性が長いので服薬期間が短くて良い点が子供に向いています。
1日1回3日間服薬すれば一週間薬が効いてくれます。

次に副作用があまりありません。
ジスロマックは大まかに説明すると、白血球によって細菌がいる場所まで運ばれます。
体中に薬が広がらず、薬が効いて欲しい場所にしか行かないようになっているので副作用が出にくいのです。