エイズとは

■HIV感染とエイズの違い

HIV概要イメージ HIVが体内に住み着いていることを感染と言います。
この状態はまだエイズとは呼びません。HIV感染では自覚症状がないことが多いのですが、この期間にも他の人に感染させてしまうことがあります。
それがHIVを広めてしまう原因でもあります。
HIVに感染するとCD4というリンパ球がHIVに侵され徐々に減少してきます。
リンパ球は人間の免疫力にとって非常に重要な役割を果たしていますから、徐々に免疫力がなくなっていきます。

全く治療をせずに放置すると約10年でエイズが発症します。
エイズが発症すると急激な体重減少やカリニ肺炎などの症状が現れ、衰弱して死に至ります。
その間は本人も症状を自覚できないほどですから、今までと変わらない生活をすることができます。
また、完治させるところまでに至っていませんが、抗HIV薬を服用する事で、エイズの発症を40年遅らせる事が出来ます。

適切な治療を受ければ普通に仕事ができ、出産も望めます。
新たに発見され感染者の30~40%はエイズが発症してから発見されているのです。
発症前にHIV感染を発見する事が大切になります。
HIV感染症の感染経路と感染力

■HIVの感染と免疫機能の破壊

人間の体にはいろいろな微生物が入り込んでいます。
しかし、私達の体にはウィルスやカビ、細菌から身を守る力が備わっています。
それを免疫と言います。

HIVは主にその免疫の機能を徐々に破壊してしまいます。
その為、免疫力が低下して普段なら何でもないウィルスやカビ、細菌等の病原体で病気になったり、脳や神経の症状が出たりするのです。
HIVに感染している人は、他の性感染症にもうつりやすくなります。
HIVによって引き起こされる、免疫の機能がうまく働かない(免疫不全)病気をエイズといいます。

■HIVの感染力

HIVは主に性交渉を通して広がっていきます。
陽性者との性行為1回あたりの感染率は0.1~1.0%とされています。
しかし、1回の性交渉でも感染した事例が報告されているので予防のためにセーファーセックスの実践が必要になります。
パートナーにHIV感染があるかわからないときにはコンドームをするなどの対策をしておく必要があります。

HIV感染症の症状

■エイズ発症期はカリニ肺炎などを発症し死に至ります

感染期間によって症状が異なります。 急性初期感染期(2週~10週頃)感染成立2~3週間後にインフルエンザ様の症状が出ます。
無症状から無菌性髄膜炎など、程度は様々ですが自然に軽快します。
無症候期から中期(6週頃~10年程)は特に症状がありません。
エイズ発症前(中期)になると、倦怠感や発熱、帯状疱疹などを発症します。
エイズ発症期はカリニ肺炎などを発症して死に至ります。

■母子感染

HIVに感染している母親が妊娠・出産した場合、産まれてくる赤ちゃんがHIVに感染する可能性は30%~40%の確率といわれています。
この場合、母胎内感染・産道感染・母乳感染があります。
抗HIV薬を服用し、ウイルスの量をコントロールできれば母体内での胎児感染率を低くする事はできます。

HIV感染症の治療について 現状では、完治させることはできませんが、抗HIV療法を行うことで、エイズ発症を遅らせる事ができます。
先進国で唯一日本だけが増加 厚生労働省エイズ動向委員会の報告によると平成8年より増加の一途をたどっています。
H18年のエイズ発生動向年報によれば、HIV感染者数は8,334人、エイズ患者数は4,050人で、感染経路の大半を占めているのは、性行為による感染です。

HIV(エイズ)とは

HIVとは性病の一つです。 エイズウイルスの一つで、感染すると免疫力が低下していきます。
その結果、健康であれば感染しないような病原体に感染して、様々な細菌やウイルスで病気になってしまいます。
そしてエイズ発症の目安となる代表的な病気23疾患に当てはまるとエイズ発症と診断されることになります。

HIVの感染ルートは主に性行為による感染・血液による感染・母子感染の3つがあげられます。
また、通常の生活では感染することはないといわれています。
早期発見するためには、やはり検査をするのが一番です。
全国各地の保健所や病院で検査を受けることができます。
保健所で検査を受ける場合には、無料・匿名で検査を受けることができます。
また、自宅で使用できる検査キットもあります。 注意点として、HIVに感染してもすぐには検査結果で陽性と出るわけではないので、感染したと思われる行為から3ヶ月経過してから検査を受けるほうが、より正確です。
現在の医療ではHIVに感染しても完全に治癒することができませんが、進行を遅らせることはできます。
もちろん、治療は早ければ早い方が良いです。
治療を早く始めるためにも検査は大切です。
また、感染しないためにもしっかりと予防することです。

HIV(エイズ)の感染経路

HIV(エイズ)の感染経路についてお話します。
日本では患者数も増えており問題になっていますけど、どこから感染するかと言いますと主に、血液、性行為、母乳になってきます。
まず、血液ですけどHIVウイルスは血液に多く潜んでいます。
つまり感染している人の血液に触れたりしてそれが自分の体内に入ってしまいますと感染のリスクが上がってきます。
ですので、感染者の人が出血した場合は素手で触るのではなくてできれば手袋を着用して治療してあげる事が必要です。

また、感染者の血液を輸血してしまう事によって輸血された人も感染してしまう可能性が高くなってきます。
今は輸血による規制も強化されていますのでほとんど輸血による感染は少ないですけど、完全になくなったわけではないです。

次に性行為があります。
感染している人と性行為する事によって感染のリスクがあります。
特にコンドームを使用しないでの性行為は感染のリスクが高いですのでコンドームを使用して性行為をしていきます。
最後に母乳です。
もし母親が感染していてその母乳を子供が飲むと子供が感染してしまうリスクがあります。
以上が感染経路になってきます。 感染経路はほぼ決まっていますので予防がしやすいです。

日本におけるエイズの感染率

日本では、1985年にはじめて患者が確認されてから、エイズを発症するHIVの患者の数も徐々に右肩上がりとなってきています。
日本でどのようにしてエイズに感染するのかというと、いちばん多いのが同性どうしでの性的接触です。
そしてその3分の1ほどの確率で異性間での性的接触となっています。
厚生労働省のエイズ動向委員会は4半期に1度という頻度で動向調査を発表していますが、それでも日本での患者の数は増加の一方をたどっています。

そんなエイズの発症をまねくHIVの感染率は、1回の暴露で観戦してしまう可能性について言うと、輸血にウイルスが入っていた場合の感染率が90パーセントにものぼり、一番感染のリスクが高い経路といえます。

次いで、静脈注射でドラッグを使用したとき、その針をエイズウイルスを持っているひとと共有してしまった場合、0.67パーセントという感染率になります。
ドラッグの注射以外の針刺し事故による感染率は、0.3パーセント程度です。
性行為でのエイズの感染での感染率は、あなるセックスをした場合の受け入れ側の感染率が一番高く、1度の暴露でエイズの感染につながる感染率は0.5パーセントです。

一方で挿入側では0.067パーセントとなります。 そして膣を介したセックスを見てみると、女性の側の感染率のほうが高く、0.1パーセントです。
そして男性の側は、その半分の0.05パーセントとなります。
このように、エイズの感染を防ぐには、第一には血液や精液、膣の分泌液などに暴露しないのが一番だということがわかります。
針刺し事故や粘膜から感染してしまうことは、職業によってはあるかもしれませんが、一般の人は性的接触のさいにコンドームを必ず使用することがたいせつだといえます。