その他の性病

<子宮頸がん / HPVハイリスク>

子宮頸がんは検診で100%防げる癌です

■子宮頸がん

HPV(Human Papillomavirus)は、イボなどの良性の腫瘍を起こすウイルスとして発見されました。
その後の研究で、その中の一部は長期にわたって感染し続ける間に“がん”を引き起こすことが分かってきました。
そして、そのような危険なHPVをハイリスク型と呼ぶようになり、子宮頸がんにおいても、このハイリスク型HPVの持続感染が原因であることが明らかになってきました。

■HPVは性行為で感染します

HPVは、前立腺や尿道の上皮細胞に感染していますので、性行為によって女性の膣や子宮膣部、さらに、子宮頸部の細胞に感染します。
HPVは、目に見えない小さな傷から侵入すると考えられています。
性行為は「こすり合う行為」ですので、容易に感染が成立してしまいます。
さらに、若い女性の子宮膣部は比較的弱い組織(扁平上皮化生)が表面に露出している事が多く、HPVだけでなく、クラミジアも感染しやすい状態になっているのです。
コンドームは、外陰部や肛門周囲に感染しているHPVを防ぐことはできませんが、子宮頸がんを引き起こすハイリスクHPVの感染にはかなりの効果が期待されます。
ワクチンだけに頼るのではなく、コンドームを正しく使う習慣を身につけましょう。


<細菌性膣症>

細菌性膣症になると悪臭がするため、 パートナーに性感染症ではないかと疑われてしまうこともよくあります

■細菌性膣症

細菌性膣症は魚臭帯下と呼ばれる、悪臭の強いオリモノが特徴です。
細菌性膣症は性感染症ではなく、膣内環境が損なわれている状態で発症します。
膣の中は通常、乳酸菌によって強い酸性に保たれています。
そのため大腸菌や悪臭の元となる菌が繁殖しないようになっています。
しかし、過度なセックスや膣洗浄のしすぎ、疲労や体力の低下などが原因で乳酸菌による自浄作用がなくなってしまうと、さまざまな菌が膣の中で繁殖し始めます。
細菌性膣症になると悪臭がするため、パートナーに性感染症ではないかと疑われてしまうこともよくあります。

■産婦人科学会で早産・流産の原因として注目・警鐘

細菌性膣症が早産・流産・低体重児の誕生、分娩後の感染症の原因になることが最近になって明らかになってきました。
妊婦さんはカンジダ症になりやすいといわれていますが、発生頻度は細菌性膣症の方が高いのです。
細菌性膣症の原因菌(膣カルドネラ菌)が子宮に入り込み、赤ちゃんを守り育てている膜の炎症(絨毛羊膜炎)、胎盤の炎症(絨毛炎)、羊水内感染(羊膜炎)、臍の尾や胎児へ感染(索条炎)を起こしてしまいます。
その結果、お腹の張りや痛み、発熱、破水を引き起こして、早産の原因になります。
妊娠24~37週で早産の可能性が2.8倍に増加し、特に妊娠16週以内に細菌性膣症・膣炎がある場合、早産の可能性が5.5倍に増加します。


<B型肝炎>

実際に症状がでる人は感染者の3割 その一方で劇症化する事もあります。

■B型肝炎

B型肝炎の主な症状は倦怠感、食欲がない、関節痛、赤褐色の尿が出る、微熱、黄疸などがあります。
実際に症状がでる人は感染者の3割とされています。
すなわち、感染者の半数以上は症状が出ないまま、自然に治ります。
安静にしている事で3ヶ月程度で回復してしまう事もあります。
その一方で劇症化する事もあります。
その場合にはそのまま放置すると7割の人が死亡します。

■B型肝炎の感染経路

B型肝炎の感染経路は、セックス、輸血などの血液による感染、母子感染があります。
セックスによる感染率は、エイズウイルスより高いと言われています。
B型肝炎はアジアやアフリカで多くみられるので、海外で感染して国内に持ち帰るケースが多いです。

■B型肝炎の強い感染力

HBVに感染している人の血液は、C型肝炎ウイルス(HCV)やエイズウイルス(HIV)に感染している人の血液に比べて感染力が高いのです。
そのため本人が気付かない程度でも、炎症がある場合には精液や体液、分泌物などにごく微量の血液が混入する場合があり、これらを介してHBVの感染がおこることはあります。


<C型肝炎>

10~15年後に肝硬変を経て 肝癌になる危険性が高くなります。

■C型肝炎

C型肝炎の持続感染者(キャリア)の血液が直接体内に入ると感染します。
症状は感染してから2~3ヶ月で出るが、軽度なため気がつかない人もいます。
C型肝炎を起こした人の70%は慢性化し、10~15年後に肝硬変を経て肝癌になる危険性が高くなります。

■C型肝炎の感染経路と症状

C型肝炎の感染経路は、1992年以前の輸血、注射器の廻しうち、刺青などがあります。
性行為による感染は低いといわれていますが、パートナーが多い人程感染率が高くなっています。
C型肝炎の症状として、感染してから2~3ヶ月経過すると、倦怠感(だるい)、食欲不振といった症状を示しますが、黄疸も出にくいため感染に気づかない事もあります。


<毛じらみ>

毛がある部位にはどこでも感染します

■毛じらみの姿

毛じらみは吸血性の昆虫です。
少し茶色っぽい白で、形は円形に近く、触覚を持つ小さな頭部と3対の脚があります。
体長は、メス成虫で1.0~1.2mm、オス成虫で0.8~1.0mmです。
卵は灰色がかった白色で光沢があり、毛の根元近くに産みつけられます。
1匹あたり30から40個の卵を産み、1週間程度で孵化した後、成虫になり約1ヶ月で死にます。

■赤黒い点状のシミ(血糞)が見られることがあります

男性女性共に症状は同じで、吸血された部位に激しい痒みを伴いますが、皮疹がないのが特徴です。
ケジラミは毛根からあまり動かずに吸血し続けます。
また、白い下着を着用していると赤黒い点状のシミ(血糞)が見られることがあります。