性感染症(STD)とは

性感染症(STD)は、セックスをはじめとする性行為などによって感染する病気のことです。

一昔前までは「性病」と呼ばれていましたが、現在は法改正により、「性感染症」という名称や「STD(「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字)」または「STI(「Sexually Transmitted Infections」の頭文字)」という名称で呼ばれるようになりました。

STDの「Diseases」は病気という意味で、STIの「Infections」は感染症などの意味がありますが、日本ではSTDもSTIも「性感染症」という意味で使われています。



性感染症(STD)は、必ずしも自覚症状があるとは限らない病気です。
そのため、感染に気づいたときにはすでに多くの人に伝染していることも考えられます。


女性は「おりもの」の変化を見逃さない


「おりもの」は女性性器から出るさまざまな分泌物の総称で、
「帯下(たいげ)」とも呼ばれます。

主に腟壁の古い細胞や子宮頸管からの粘液、
皮脂腺や汗腺からの分泌物などが混じり合っています。

STIに感染した女性では、おりものの量や色や
においに異常が見られることもありますので、
おりもの の変化に気づいた時は、放っておかずに
診察を受けましょう。

 

 

男性は性器の変化を放置しないように


男性はSTIに感染すると女性に比べて症状が
出ることが多いので、
比較的早い時期に気づくことができます。

その症状は様々ですが、尿道から膿(うみ)が出たり、
排尿時に痛みがあったり、
性器に痛みやかゆみなどの異常を感じたら
放っておかずに必ず診察を受けましょう。


 

 

 ピンポン感染に注意

カップルの片方が性感染症にかかった場合、性行為によってパートナーにも病気をうつしている可能性があります。ですから、本人が治療して 治っても、パートナーも治療しなければ、その後の性行為によって再び感染してしまいます。こうしたピンポン玉のやりとりのような繰り返しを防ぐため、どち らかがSTIと診断された場合は2人同時に治療することが大切です。


主な性感染症(STD)と症状


淋病(咽頭の感染も含む)

感染してから症状が出るまで:2~7日程度
治療期間:最低1週間
オーラルセックスによって感染することが多い性感染症(STD)です。
感染すると、男性は排尿の際に痛みが走り、濃い黄色の膿が出ます。
女性はおりものが多くなるものの、通常は痛みを感じることがありません。
感染に気がつきにくいため、注意が必要です。

詳細はこちら→淋病の症状

クラミジア(咽頭の感染も含む)

感染してから症状が出るまで:1~4週間程度
治療期間:最低2週間
感染する可能性が非常に高い性感染症(STD)です。
感染すると、男性は尿道にむずがゆさをおぼえるようになります。
女性は帯下が増えて腹痛を起こしやすくなるものの、感染に気づかないケースが多いようです。
そのため、早期に発見することが重要になります。

詳細はこちら→クラミジアの症状

雑菌性尿道炎

感染してから症状が出るまで:1~10日程度
治療期間:最低1~2週間
汚れた手のまま性器に触れると、傷口から雑菌が体内に入って発症します。
男性は排尿時に痛みをともないます。
一方、女性の場合、自覚症状が出ることはほとんどありません。
清潔にしておくことが、何よりも重要な予防法になります。


軟性下疳

感染してから症状が出るまで:3日~1ヶ月程度
治療期間:最低1~2週間
東南アジア、アフリカ、南米などに多い性感染症(STD)です。
そのため、日本国内で感染することはほとんどありません。
感染すると、男女とも性器に豆粒くらいのコブができ、その後は強い痛みをともなう潰瘍が患部に広がります。
軟性下疳は発症するとHIVに感染しやすくなるため、早期に発見することが重要になります。


梅毒(第1期・第2期)

感染してから症状が出るまで:3週間~3ヶ月程度
治療期間:2~3ヶ月程度
皮ふや粘膜の小さな傷から、トレポネーマという病原菌が侵入することで発症する性感染症(STD)です。
第1期は性器に痛みをともなわない硬いしこりができ、第2期になると全身(特に手足)に小さな斑点が多数出てきます。
男女とも症状が出ないタイプがあり、この場合は専用の血液検査で判明することが多いようです。

詳細はこちら→梅毒の症状

性器ヘルペス

潜伏期間:3日~1週間程度
治療期間:症状によって異なる(何度でも再発の可能性あり)
ヘルペスの病変部と接触することにより発症する性感染症(STD)です。
男女とも性器に小さな水泡が多数でき、痛みとかゆみが続きます。
ヘルペスに一度感染してしまうと、その後はウイルスを死滅させることができません。
ただし、再発を抑える治療を行うことは可能となっています。

詳細はこちら→性器ヘルペスの症状

ヒト・パピローマ・ウイルス

感染してから症状が出るまで:数ヶ月~数年程度
治療期間:薬剤開発中
女性のほとんどが一生に一度は感染するといわれているウイルスです。
性交渉によって感染しますが、ほとんどの場合は免疫力によってすぐに消滅します。
しかし、まれに消滅せずに残ってしまうケースがあり、そのまま放置すると良性の場合「尖圭コンジローム」の原因となり、悪性の場合「子宮頸癌」の原因となります。


尖圭コンジローム

感染してから症状が出るまで:1ヶ月~1年程度
治療期間:症状によって異なる
尖圭コンジロームは、性器や肛門のまわりにイボができる性感染症(STD)です。
ヒト・パピローマ・ウイルスに感染して発症します。
自覚症状がない場合が多いのですが、性器にかゆみや痛みを感じることもあるようです。
電気メスなどによる焼却や、抗癌剤軟膏の塗布などによって治療します。

詳細はこちら→コンジローマの症状

トリコモナス

感染してから症状が出るまで:1~3週間程度
治療期間:最低1~2週間
トリコモナスは、トリコモナス原虫の感染によって発症する性感染症(STD)です。
ぬれたタオルやトイレの便座などからも感染することがあります。
女性の場合、外陰部にかゆみや灼熱感があったり、おりものが増えたりします。
男性の場合は排尿時に軽い痛みをともないますが、感染に気づかない場合がほとんどです。
軟膏の塗布や内服薬によって治療します。

詳細はこちら→トリコモナスの症状

カンジダ

感染してから症状が出るまで:何年にも及ぶことがある
治療期間:最低1週間
カンジダは、体内にも存在するカンジダという真菌によって発症します。
他の性感染症(STD)とは異なり、ストレスなどの体調の変化によって自然発症することがある病気です。
カンジダは女性の方が発症する確率が高く、外陰部が赤く腫れ、かゆみなどの症状が出ます。
定期的なちつ洗浄や軟膏の塗布によって治療します。

詳細はこちら→カンジダの症状

B型肝炎

感染してから症状が出るまで:1~6ヶ月程度
治療期間:2~3ヶ月程度
B型肝炎ウイルスの感染によって発症します。
ワクチンによって予防できる性感染症(STD)です。
発病の初期は体がだるく、吐き気や頭痛、尿の色が濃くなるなどの症状が出ます。
全身に黄疸が出るようであれば入院が必要で、尿は更に濃褐色になり、醤油のような色になります。


HTLV-1

感染してから症状が出るまで:数十年
治療期間:薬剤開発中
成人T細胞白血病の原因となるウイルスです。
性行為による感染や母乳を介しての感染が多く見られます。
HTLV-1は感染しても、多くの場合、健康保菌者(キャリアー)になるだけで、発症することはありません。
しかし、一部の方は発症し、半年から2年ほどで死に至ります。


AIDS

感染してから症状が出るまで:3ヶ月~数年程度
治療期間:薬剤開発中
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞を破壊し、免疫不全を起こす病気です。
HIVに感染してAIDSが発症するまでは、健康保菌者(キャリアー)になるだけで、外観上は健康な状態と変わりません。
しかし一度発症すると、急激な体重の減少、著しい寝汗、下痢などの症状が続き、数年で死に至ることもあります。

詳細はこちら→エイズ(HIV)の症状

C型肝炎

感染してから症状が出るまで:2週間~3ヶ月程度
治療期間:半年~1年程度
C型肝炎ウイルスの感染によって発症する性感染症(STD)です。
性行為による感染は少なく、主に血液を介して感染します。
C型肝炎は、放置しておくと「肝硬変」や「肝臓癌」に移行する可能性があります。
自覚症状が軽く、感染に気づいていないケースが多いため、注意が必要です。



性行為感染症(STD)とは


性行為感染症(STD)を治そうと思う人、特に女性に焦点をあててSTDの基礎知識と治療法、予防方法について解説します。
まずSTDとは性行為をすることでうつる感染症のことです。
代表的なものはクラミジア、カンジタ、性器ヘルペス、淋病、トリコモナス、梅毒などです。
症状は男性と女性で異なり、性器の痒みや痛み、おりものの増加・悪臭、排尿痛などが挙げられます。
不特定多数の人との性行為やコンドームをしない等で感染しますが、自分には身に覚えがないからと安心していても、パートナーが外で感染してきて知らず知らずのうちに感染していたということも珍しくありません。
中には女性は無症状のまま経過する種類もあり、気づかないまま感染を広げてしまう危険性があります。
そのためSTDは早期治療が大切です。
ではどう治療するのでしょうか。 まずは婦人科を受診して下さい。
検査は内診や尿検査、血液検査があります。
感染の診断があった場合は、病気によっても異なりますが、抗生物質を服用したり、患部へ抗菌クリームを塗ることで治療します。
治療の上で大切な点は、必ずパートナーと同時に治療することです。
同時でなければ、うつしあうピンポン感染を防ぐことができません。
STDの予防法はコンドームを使用することです。
体液や粘膜が触れることで感染するので、コンドームは最初から最後まで装着することが必要です。
また何より、お互い特定のパートナーとの性行為を守るというのが必要です。
さらに、STDの定期検査を受けるとより安心です。
先に述べたように、ほとんど症状がでない病気もあるため、発覚が遅れてしまう場合があります。 放っておくと不妊症や子宮がんなど、深刻な病気を引き起こすリスクがあるので早めにジスロマックやバルトレックス、ゾビラックスを服用して治療しましょう。
以上がSTDの基礎知識、治療法、予防法です。
早期治療のために、感染の不安があるかたは早めに婦人科を受診しましょう。

性行為感染症(STD)の原因ウイルス


現在性病で悩んでいる人が増えてきているとされています。
しかし症状が現れても恥ずかしくて病院に行くという人が少ないので、なかなかその症状を把握することが難しくなっています。
このような性病(STD)の原因となる色々なウイルスがあります。
たとえば性病の中には淋病というものがありますが、これは性器クラミジア感染症の次に感染者の多い性感染症となっています。
男性の250人に1人が自覚症状があるとされています。
その自覚症状としては排尿痛などが主なものとなっています。
感染経路としては風俗女性からの感染が多くなっており、口腔感染によるものが多くなっています。
女性の場合には感染しているということに気がついていない人が多いです。
その結果不妊症につながると言うこともあります。
特に最近は若い女性に感染している人が多くなっています。
淋病の原因となるウイルスは、淋菌という細菌が色々な性行為で感染することが原因となっています。
1回の性行為での感染率がとても高くなっています。
症状は男性の場合尿道から膿が出たり精巣が腫れたりします。
また発熱することもあります。 放っておくと前立腺炎や精液に血が混じると言うことにつながってしまいます。
女性の場合にはおりものの量が増えたり軽い発熱があったり下腹部痛が見られます。
放っておくと卵管炎や骨盤髄膜炎という恐ろしい病気につながってしまうおそれがあります。
治療としては淋病に効果のあるセフォジジム等の抗生物質を注射で投与します。
クラミジア感染症の場合には、治療方法としてジスロマックを使用することがあります。
性病の場合には早めに対処をすることで治ることができるので、恥ずかしがらずに病院に行って適切な治療を受けるようにします。